ルレ・デセール(Relais Desserts)は、1981年フランスで創設された。高級菓子作りを目指し、名のある職人たちがレシピや技術について、意見交換などを続けてきた。現在、会員は十四カ国の八十五人。会員の多くは仏最優秀職人賞、洋菓子世界チャンピオン、年間最優秀パティシエ、王室御用達などの肩書を持っている。会長はパリのフレデリック・カッセル、副会長はご存知ピエール・エルメ。その他、会員にはジャン・ポール・エヴァン、パスカル・ニオー、DEL REYのベルナール・プルートといったそうそうたるパティシェが名を連ねており、この協会に入ることは、いわば一流の証。年に二回、秋と春にセミナーを開いている。 会員になるためには、厳しい基準をクリアしなければならない。現役会員二人から推薦を受け、さらに菓子作りの実習試験に合格しなければならない。合格者は年に数人だ。 アジア初の会員となったのは杉野英実さん。1991年には洋菓子世界チャンピオンになり、2000年から会員に。杉野さんは「会員になったことが今までで一番うれしかった。まさか、東洋人がメンバーになれるとは思っていなかったから」と話す。2005年9月には、川口行彦さん、大塚良成さん、寺井則彦さんの三人が同時に会員となった。新会員四人のうち、三人が日本人だった。