貝殻の形をしたお菓子です。このお菓子にまつわるエピソードは数多く残っています。その中でも、もっとも有名なのはこの話です。
18世紀中ごろ、当時ロレーヌ地方を治めていた元ポーランド王のスタニスラス・レクチンスキー公が、ある野外パーティーを開いた時、パティシェが料理長と大喧嘩をしてその場を飛び出してしまいました。そこで急遽、メイドのマドレーヌという娘がこのお菓子を焼いたところ大変評判がよく、レクチンスキー公のお気に入りになりました。そして彼は、このお菓子にメイドの名前を付けて愛娘マリーのもとに送ったのです。そしてこの娘・マリーこそルイ15世の妃だったので、マドレーヌは瞬く間に宮中からパリの町まで広がりました。
またロレーヌ地方のコメルシーにはマドレーヌ職人の本拠地があり、毎年6月の第1日曜日にはマドレーヌを祝うお祭りが催されています。